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ロボ―カランポーのオオカミ王 (シートン動物記)

 友人の虹だいだい君から今泉訳のシートン動物記がすばらしいと聞いて、その中でもとりわけ有名な「ロボ―カランポーのオオカミ王 」を読みました。

 33歳の若きシートンが、ニューメキシコ州のカランポーにいるオオカミ「ロボ」と知恵比べする話、といえばなんだか平和な雰囲気ですが、いろいろな意味で心揺さぶられる一冊でした。

 僕は恥ずかしながら、シートンという人について全くわかっていなかったようです。

 シートンはあまりに時代の先に進みすぎていたようで、19世紀末のアメリカにおいて、人間以外の動物に対して魂から敬意を持って接しようとしていたことがわかります。当時は、自然界と一体となって生きようとするネイティブアメリカンが白人の攻撃によって絶滅に向かってまっしぐらだった時代なのです。しかしシートンはネイティブから様々な知恵と技術を学んだようで、トラッキングをはじめ、興味深い話がたくさん書かれていました。

 ネイティブの知恵や技を伝えていく努力もかなりしていたようで、ボーイスカウトという運動もそんなシートンに触発されて始まったのだそうです。スカウトというのは英語ですが、ネイティブアメリカンの世界では、部族の安全を守るという重大な任務のために鍛え上げられた斥候のことです。

 まあそれはともかく、ロボというオオカミの王者は、名だたるオオカミ猟師たちと対決しても彼らをあざ笑うかのように惨敗させ続けていて、そこでシートンに白羽の矢が立ったわけなのですが、シートンもあらゆる技術を駆使して、そのたびに罠を、毒えさを、見抜かれてしまいます。

 さてロボの住む西部の野生動物たちを殺すのは誰か? もちろん直接的には現地の人間ですが、間接的には依頼主である牧場主は、東部の都会に暮らす実業家だったりするのでした。ロボは自然を破壊し尽くすかのような白人文明との境目にいて、その業に屈することなく生きるひとつの命でしたが、シートンが書かなければ都会に住む人々はロボの命の真実に触れることはなかったでしょう。物語の結末は皆さんに読んで頂くとしても、そこではロボというオオカミの生命の尊厳が、シートンの目を通してまっすぐに語られます。

 そのシートンのまなざしというか胸の内も、直接には語られないにしても僕にはとても伝わってくるようでした。ロボとシートンの戦いの物語を通して、ロボの生き様、シートンの苦悩、生命の尊厳、地球上の生命と調和しながら生きるということ、人間が破壊してきたもの、いろいろな事柄についての大きな感情の波が静かに押し寄せてきて、圧倒されてしまいました。

 子供向けの薄い本として出ているので、興味を引かれた方は是非、ご一読ください。
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この記事のコメント

子供のころに、読みました。

シリーズものだったのだけど
やっぱり、ロボの話が、一番
印象深いですね~

ロボとブランカ。。。
最後は、かなしかったなぁ。

また、読んでみますね。
2008-05-23 Fri 00:19 | URL | よっし~ #HuBhO90w[ 内容変更] | top↑
読みたかったんです、これ。
この100年間で多くのものを失っているのだと気が付きます。ブログにも書いたけれど、150年前まではヨセミテではネイティブアメリカンが普通に暮らしていたんですね。

シートン、ミューア、ソロー...偉大なる先人の言葉が残っていても、これだけ失い続けるのは悲しいものです。
2008-05-23 Fri 04:03 | URL | ほつま #sSHoJftA[ 内容変更] | top↑
シートン動物記の中でもっとも記憶に残っている物語です。

そう言えば、『グランドファーザー』、読みました。
野性の感覚を、もっと磨かなければと意識変革されました。

これからもいろいろと教えてください。
2008-05-23 Fri 10:13 | URL | hirak #-[ 内容変更] | top↑
ご無沙汰しています。冨田です。mixiから来ました。

オオカミ王ロボをはじめ、シートン動物記は小学校のころたくさん読みました。ほとんど記憶のかなたですが、オオカミにしろ、馬やうさぎやカラス・・・なんにしろ、生き生きと、少しもの悲しく感じられたような思い出があります。
そうですか、シートンというのはそういう人だったんですね。機会があれば今泉さんの訳でもう一度よんでみたいとおもいます。ご紹介をありがとうございました。
※うちの畑には蛇や蛙もいるけど、蛇や蛙の物語はあったかな~。
2008-05-23 Fri 12:48 | URL | 冨田 #-[ 内容変更] | top↑
「ファーブル昆虫記」と共に全巻が揃っていた兄の「シートン動物記」を
夢中になって読んだ7歳の頃の記憶が蘇りました。

一番好きだった「オオカミ王ロボ」
ロボの聡明さと人間の身勝手さを幼心にも感じたものです。
そして動物にも「意思」があるのだと教えてくれたのもこの話でした。

久し振りに実家から持ってきていた当時の本を
触発されて読んでいる雨の日曜日です。

蛇足ですが、コンラート・ローレンツは著書「ソロモンの指環」のまえがきにおいて、
シートンを「動物の研究に全生涯をかけてしまった」”大馬鹿者”として、
パウル・アイパーやベンクト・ベールィと並び称して賛辞を贈っているのでした。ちゃん。
2008-05-25 Sun 11:13 | URL | kuniko #mtZVGoSA[ 内容変更] | top↑
> よっし~

すご~い!よく覚えていますね~。
僕も後半を読んでいるとき、ロボの悲痛な叫び声が、耳に聞こえてくるようでした。

> ほつま

そうなんだよね、この150年に以下に多くのものが失われてしまったかと感じます。
「イシ」の若かった時代には、まだたくさんのネイティブが大地と調和した生き方を守っていたはずなのです。
ソローも今泉さんが改めて訳しているようなので読んでみたいなと思っています。
2008-05-26 Mon 18:40 | URL | 風使い #-[ 内容変更] | top↑
> hirakさん

お久しぶりです。
しかしみんなよく覚えているな~。
「グランドファーザー」読みましたか。
すごいでしょ。

僕もあの本を読んで、自分の未熟さを思い知りました。
2008-05-26 Mon 18:42 | URL | 風使い #-[ 内容変更] | top↑
読んでくださったのですね、ありがとう。

今泉さんは文学者や翻訳家ではなくて、生態学者であることからも、その訳がより動物の実態にあったものとなっている、という話も聞いたことがあります。一度、今泉さんに講演をお願いしたことがありますが、いつも山にいるようで、つかまえるのがものすごく大変でした。

今泉さんが書いた伝記『子どもに愛されたナチュラリスト シートン』の帯に、手紙の抜粋が記してあって、涙ものです。シートンの本を読んだ子どもたちからの手紙です。シートンは、彼に対して怒りをぶつけてきた子どもの手紙も心から喜んだようですね。以下、ちょっと長いですが、読んで欲しいので。

***
私があなたをどう思っているか、いいたいと思います。あなたは最低のひきょう者で、ざんこくな人です。ほんとうにひどい人で、あんなオオカミたちを殺すなんて、心もない人です。私があなたに思っていることは、それだけです。(10歳の少女 A・Sさん)

『私の知っている野生動物』は、今年読んだ本のなかでいちばんで、これまで読んだ動物物語のなかでもいちばんの本でした。私は、キプリングの『ジャングル・ブック』よりも、この本が好きです。それは、この本のほうが、ほんものみたいでほんとうだからです。(12歳の少年 P・Y君)
2008-05-27 Tue 15:34 | URL | 虹だいだい #-[ 内容変更] | top↑
> 冨田さん

ご無沙汰しています。
ロボのあと、ワタオウサギの話を読んだのですが、シートンのネイティブなみの観察力がオオカミの話以上に駆使されていてすごく面白かったです。
そしてなんというか、自然の摂理自体の持つ残酷さや、にもかかわらず命を精一杯生きるということの美しさを感じられます。

> kunikoさん、

7歳の記憶とはまた、すごいものがよみがえりますなあ。僕は「これは7歳の記憶です」と呼べるものを思い出せるか自信がないです。
ソロモンの指輪はかつて、S.J.グールドのシリーズものの著作なんかと一緒に読んでいました。たぶんご紹介頂いた文章を読んだのですが、そんなに肯定的だったかなあと20歳ころの記憶も定かではありません・・・。
僕の記憶にあるシートン批判をしていたのは、もしかしたらローレンツではなくてドーキンスか誰かだったかな。
2008-05-28 Wed 00:18 | URL | 風使い #-[ 内容変更] | top↑
> 虹だいだいさん

素敵な本の紹介をどうもありがとうございました。1~3巻まで読んだところです。読めば読むほど、シートンの偉大さを思います。こんなすごい人だったのかと。

> 彼に対して怒りをぶつけてきた子どもの手紙も心から喜んだようですね。

というエピソードも、なんだかとても素敵な話ですね。そうでしょうとも!と思いました。
2008-05-28 Wed 00:22 | URL | 風使い #-[ 内容変更] | top↑
そう。
全部はおぼえてないけど。
悲しみのあまり、何も食べなくなって
そのまま死んでしまったんだと思います。

シートンも、悲しかったんですよね。
どうして信じてくれないんだって。

でも、
かなしい平行線のまま、ブランカは殺されたし
ロボもみずから、世を去ってしまいました。

たしか、そんな話だったと、思います。
2008-05-28 Wed 08:13 | URL | よっし~ #HuBhO90w[ 内容変更] | top↑
> よっし~

そう、そんな感じの話です。
なんというか、これまで読んだ1~3巻はいずれもどこか物悲しいです。それは生きて死ぬという、生命の基本的なサイクルにまつわるもの悲しさなのかな。
2008-05-29 Thu 16:17 | URL | 風使い #-[ 内容変更] | top↑
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